【帰化ガイド】本国の外国文書を集める方法

帰化申請の必要書類として、申請人の身分関係を証明するために申請者の母国の公的文書を取得する必要があります。

日本国内で取得できる場合や申請人の母国で取得しなければならない場合など様々となっていますので、申請件数の多い韓国、台湾、中国のほか、いくつかの国について紹介することにしましょう。

随時追加していくようにしますね。

韓国

韓国国籍の方の各種証明書については、日本にある韓国領事館で取得することが可能です。

2008年1月1日施行の「家族関係の登録に関する法律附則第3条1項」により、従来の韓国の戸籍制度は廃止され「家族関係登録制度」という制度が新設されています。

家族関係登録制度の新設により、下記の点が変更されています。

  • 戸主を中心として家単位だったものが、個人別に家族関係登録簿が作成されています。
  • 本籍が廃止され、本籍欄には登録基準地として従前の本籍が記載されています。

本籍概念が廃止されたことにより、家族が同一の登録基準地(本籍)を持つ必要はなく、家族構成員が自由に変更することが可能になっています。

各種証明書について

過去の帰化申請では戸籍謄本を取得することにより、父母、出生、婚姻・離婚、配偶者、養子縁組などの事実関係を証明していましたが、現在の帰化申請では必要に応じて各種証明書を請求することになります。

ただし実務上としては、各種証明書だけでは足りず、従前の戸籍制度の戸籍謄本(除籍謄本)の取得も必要となるケースも多々あります。

各種証明書は、申請人ごとに取得する必要があります。

  • 家族関係証明書
    本人、父母、配偶者、子女に関する人的事項の証明
  • 基本証明書
    本人の出生、死亡、改名等の改名などの人的事項の証明
  • 婚姻関係証明書
    配偶者の基本的事項や本人の婚姻・離婚に関する事項の証明
  • 入養関係証明書(養子縁組)
    養父母または養子の基本的事項や養子縁組・離縁に関する事項の証明
  • 親養子縁組関係証明書
    親養子入養(日本での特別養子縁組に近い)に関する事項の証明
  • 除籍謄本
    従前の戸籍制度の「戸籍謄本」が現在は「除籍謄本」となっています。

駐大阪大韓民国老領事館のホームページのリンクを貼っておきますね。外部リンク:駐大阪大韓民国総領事館

台湾

台湾国籍の方の帰化申請の場合、台湾にも日本と同じような戸籍制度があり、台湾本国の戸籍謄本が必要となります。

戸籍謄本

台湾の戸籍謄本は、日本の戸籍謄本と住民票をミックスし、さらに履歴書を足したような形態の戸籍となっています。

原則として台湾国外からの郵便などによる取り寄せはできず、本人もしくは親族が台湾国内の戸籍事務所におもむいて取得する必要がありますが、日本国内の都道府県ごとにある「華僑総会」によっては代理で取得してもらえる場合もあります。

また、戸籍謄本を取得する際には次の事項をすべて満たすように、現在の戸籍謄本からさかのぼって過去の戸籍謄本も取得するようにしてください。

注意が必要なのは、必要な人物のみ記載されている「部分謄本」ではなく、必ず「全部謄本」で取得し、次のすべての状況がわかるように過去の謄本までさかのぼって準備する必要があります。

  • ご本人の出生から現在まで
  • ご兄弟姉妹の出生から現在まで
  • ご両親の婚姻
  • ご両親の前婚、前婚の子の有無がわかる年代のもの(ない場合も、ないことが証明できる範囲のもの)
  • ご両親、ご兄弟姉妹の死亡(該当ある場合)

「ご両親それぞれの婚姻申告の前~現在」までの戸籍謄本(父方、母方の婚姻前のものから婚姻後、現在までのもの)を取得すると、上記すべてがわかると思われます。

国籍喪失証書

台湾国籍の方は帰化の許可間近になると、法務局より「国籍喪失証書」の取得と期限の有効なパスポートの提出を求められます。

国籍喪失証書は、台湾本国で取得するほか、華僑総会で取得の代行を依頼することが可能です。

中国

中国には日本のような戸籍制度というものはなく、国籍・身分関係を証するための証明書類として「公証書」という証明書を発行しています。

公証書は出生や結婚などの証明したい項目ごとに発行されるため、帰化申請に際しては、各項目に対応する次の公証書を取得する必要があります。

各種公証書について

出生公証書

本人や兄弟姉妹などの出生の証明します。

死亡公証書

父母、兄弟姉妹などの死亡の証明します。

結婚公証書

本人や父母の婚姻関係を証明します。

離婚公証書

本人や父母の離婚関係を証明します。

親族関係公証書

親族関係公証書は次の2種類の物を取得する必要があります。

  • 申請人からみて、ご両親・兄弟姉妹が関係人として記載してあるもの
  • 申請人からみて、配偶者、子が関係人として記載してあるもの(申請人が婚姻されている場合)

親族関係公証書はは、日本で生まれた中国国籍の方は、日本にある中国大使館で取得することができます。

光栄証(1人っ子公証書)

一人っ子であることの証明書として「光栄証」という文書があり、その光栄証を中国本国で公証してもらう必要があります。

必要かどうかは法務局によって異なり、事前に確認したほうが良いでしょう。

大阪法務局では必要とされていますが、京都、滋賀の法務局などは提出の必要がありません。

親族関係公証書に、一人っ子であることの記載を依頼することで省略も可能です。

国籍公証書

国籍を離脱するための公証書となり、他の公証書とちがい、国籍公証書だけは在日中国領事館で取得することになります。

本人が取得することもできますが、華僑総会へ取得を依頼することも可能です。

他の公証書と異なり、事前に準備するのではなく、法務局から取得するように指示があった後に取得する必要があります。

フィリピン

  • 申請人の出生証明書(CERTIFICATE OF BIRYH)
  • ご兄弟がいる場合、その全員分の出生証明書(CERTIFICATE OF BIRYH)
  • 申請人の婚姻証明書(CERTIFICATE OF MARRIAGE)
    ※婚姻されている場合
  • 申請人のご両親の婚姻証明書(CERTIFICATE OF MARRIAGE)
    ※婚姻されている場合
  • 申請人のご両親の離婚証明書
    ※離婚されている場合
  • 申請人のご両親の婚姻履歴証明書(申請者の出生当時、お母さんが未婚であったことの証明)
    申請人が婚姻外の子供である場合、父親が状態となってしまうため、出生当時に母親が未婚であったことを証明する必要があります。
  • 死亡されている親族がいる場合、その方の死亡証明書
  • 親族証明書(KINSHIP CERTIFICATE等)

申請の際には、フィリピン本国より取り寄せた上記の証明書をする必要があります。

また、あわせて日本にあるフィリピン共和国大使館で「国籍証明書」を取得する必要があります。

電話がなかなかつながらないそうですので、直接行くほうが早いようです。

場所:大阪市中央区城見2丁目1-61 twin21  MIDタワー24階

電話:06-6910-7881

名前:在大阪神戸フィリピン共和国総領事館

ベトナム

  • 申請人の出生証明書(CERTIFICATE OF BIRTH)
  • 申請人の婚姻具備証明書(CERTIFICATE OF MARRIAGE)
    婚姻しているかしていないかが分かるもので、発行可能な場合に必要となります。
  • 申請人のご両親の婚姻証明書(CERTIFICATE OF MARRIAGE)
  • 申請人のご両親の離婚証明書(CERTIFICATE OF DIVORCE)
    離婚されている場合には必要となります。
  • 死亡証明書(CERTIFICATE OF DEATH)
    死亡されている親族がいる場合に必要となります。
  • 親族証明書(KINSHIP CERTIFICATE   FAMILY TREE等)
  • 兄弟の出生証明書(CERTIFICATE OF BIRTH)
    親族全員が記載された親族証明書が出ない場合には、兄弟全員分の出生証明書が必要となります。

あわせて「国籍証明書」を在日のベトナム社会主義共和国総領事館で取得する必要があります。

ブラジル

本国で取得

  • 出生証明書(本人・ご兄弟姉妹)
    ブラジルには親族関係証明書のような家族全体を証明する書類が存在しないので、兄弟がいる場合には兄弟全員の出生証明書も取得する必要があります。
  • 婚姻証明書(ご両親・ご本人も該当があれば)
  • 離婚証明書(ご両親・ご本人も該当があれば)
    離婚されたことがある場合には、離婚の事実の記載がある婚姻証明書または離婚証明書が必要となります。
  • 死亡証明書(ご両親、ご兄弟姉妹で該当があれば)

在日の総領事館で取得

  • 国籍証明書(発行1年以内のもの)

各種許認可申請について

帰化申請以外のその他の許認可申請についてお調べの方は、ひかり行政書士法人の総合サイト「許認可.net」もぜひご覧ください。

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